爆弾です。
シンプルで力強く、潔いタイトルです。
『このミステリーが凄い!2023年版』 1位
『ミステリが読みたい!2023年版』 1位
なんだそうです。
1位を2つ獲得とか、社会の最底辺である私からしたら、
眩しすぎて読めない小説ですよ。
眩しい。眩しすぎるよ。
やはりシンプルな言葉には破壊力の他に『品』がありますよね。
本から神々しいダブル1位の光が駄々洩れですが、
この小説には負の感情を煮詰めた様な男が登場するらしいです。
片腹痛い…。
私も負のオーラを纏いし43歳(フラグ)
お手並み拝見と参りましょう(フラグ)
邪眼の力を舐めてもらっては困るのです(フラグ)
いざ、負の頭脳戦へっ!!
【爆弾】全力あらすじ(迫真)
自称・スズキタゴサク。
取調室に捕らわれた冴えない男が、
突如「十時に爆発があります」と予言した。直後、秋葉原の廃ビルが爆発。
爆破は三度、続くと言う。ただの“霊感”だと嘯くタゴサクに、
警視庁特殊犯係の類家は情報を引き出すべく知能戦を挑む。炎上する東京。拡散する悪意を前に、正義は守れるか。
引用元:『爆弾』呉勝浩 Amazon紹介ページ
著書・書籍情報
呉 勝浩(ご かつひろ、1981年9月14日- )は、日本で活動する韓国国籍の小説家。
学位は学士(芸術)(大阪芸術大学)。かつての筆名は檎 克比朗(ご かつひろ)。
本名は呉 勝浩(オ・スンホ、오 승호)。
引用元:wikipedia 呉勝浩
なぜ、この本を読んだのか?
私と爆弾の付き合いは非常に長いモノになります。
幼少期に初めて爆弾を使用したのは『ボンバーマン』でした。
ステージ開始と同時に爆弾を設置してしまって動けなくなって爆死したのは良い思い出です。
その後、少し大人になり『ボンバーキング』に出会いました。
爆炎を思わせる紅色のファミコンカセットでした。
洗礼されたキャラデザイン。シリアスな設定。
私は何度も挑戦しても最初のステージも攻略できずにいました。
大人になった今、何度も挑戦する事もなくなりました。
そんなときにこの小説が目に入りました。
あの時の様に人生に何度も挑戦していれば…
敵に囲まれた際にボムを使うのはシューティングゲームでは常識です。
爆弾とは奥深きアイテムであります。
ネタバレなしの感想
『ボンバーマン』の攻略本ではなく、警察と爆弾魔のお話でした。
紛らわしいったら、ありゃしない。
初代ロックマンに出てくる、ボンバーマンステージの攻略本ではなく、
人間の心理や平等、建前、本音を奥深く考えるお話でした。
紛らわしいったら、ありゃしない。

【爆弾】完走した感想(ネタバレ注意)
私にしては、結構なボリュームで中々に読み応え抜群の物語でした。
いくら爆弾の設置場所のヒントとは言え、スズキの喋りが長くて長くて途中で挫けそうでしたが、
なんとか読了。
どっちの命が大事か?とか、どっちの命を優先するべきか?とか、
自分の中にある負の感情を抑えるとか、抑えないとか・
読んでいて、とにかく胃が痛かった。
この小説から私に訴えかけてくる質問に答えられる箇所なんてほとんどなく。
終始嫌な気持ちで物語が進んでいった。
私も中々に、負の感情を纏いしクズ男だと思ってはいたたが、
スズキ先生の頭脳の鋭利さと、つかみどころの無い気持ち悪さには、
私なんか無能のヒヨッコだと思い知った。
私の心を鷲掴みポイント
スズキの気持ち悪さが終始貫徹良き。
ヌルヌルとした気持ち悪さもあり、
なんだか色のついた霧の様なドクドクしさと掴みどころの無さ。
しかし時折みせる、読み手の心臓を集中したビームで撃ち抜く様な彼の言葉。
腹は立つけど、言い返せない威圧感を持った、まさに悪役・
だからこそ、素晴らしい作品だと感じた。
この本から学んだ事
・真偽は不明だが、お手軽に爆弾が作れる世の中はイクない。
・気持ち悪さも極めれば、ここまで強大な存在になるのか。
武者震いが止まらない。

等々力さんとスズキの一騎打ち
最後の最後は、交代させられた等々力さんが類家の次にスズキと対面し、
再度決着をつけるのかと期待していたが、それは叶わなかった。
連行途中に両者は少し話すが、再度一騎打ちして欲しかったのが正直なところ。
ザ・普通の女の子『ゆかり』
細野ゆかりちゃんってば、読んでる途中で
『お前かっ!お前が爆弾設置係なのか?』
『お前かっ!なんだか不思議な事が起こったせいで爆弾を作らされているのか?』
と怪しむに怪しんでいたけど、
ほとんど事件に関係なく終わってしまったよ!!!
私をめちゃくちゃ混乱させてくれたじゃないか ゆかり!
やるではないか細野ゆかり!おじいちゃんを助けたその心意気やよし!!!
この本の犯人へ
スズキの気持ちは分からないでもない。
相手にされなかったり、イジメられたりして、
不幸な事も連続すれば、全てに対して恨み辛みはつのるだろう。
黒い感情が浮かんでも理性や常識で抑えるが、
感情なんて自然と浮かびあがって来るものだし、
『何が正解なのか?』なんて答えようがない。
しかしスズキの気持ち悪さは、
最近見ていた作品の中では、言葉で表すのが難しい感じで不気味だった。
自分に対して怒り狂っている人を見て大興奮で昇天するとか
いかれてらっしゃる!いかれてらっしゃるYO!
悪役としては満点。素晴らしいよスズキ!
この本をオススメする人
・【メタルギアソリッド2】に出てくる、
ローラーブレードを履いて爆弾を使ってくるアイツを倒せない方。
・ボンバーキングの最初のステージには歌詞があり、
それを高橋名人が歌っている事をしっている猛者
・弾幕ゲーとかボムが何個あっても無理な人
まとめ
どうやら『爆弾』には【2】があるらしい。続編があるらしい。
おもしろい。またスズキは出てくるんだろうか?
それとも全然違う人が出てくるんだろうか?
また、映画にもなるらしい。
最後の駅爆破はどんな感じになるんだろう。
日本の映画で爆破とか派手に出来るんだろうか。非常に楽しみだ。
とにかく、面白かったが最初から最後まで胃がキリキリしてた。
人間やるのも難しい。正義ってなんなんだろうか。優しいってなんなんだろうか。
答えられない自分がダメなんだろうか?
矛盾と不条理の世界での【自分の答えを持つ】事が大事なんだろうか?
2を読んでから考えよう。
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