ミステリ界で圧倒的な建築センスを見せる、
中村青司先生の次なるプロデュース作品のお家はなんと
【迷路の館】
小学生が考えた『僕が考えた最強の』シリーズに出てきそうな館だと感じてしまったが、
それは私が凡人で天邪鬼で無職の底辺だから、そんなゲスな感想が出てきてしまっているのだろう。
世の中の天才達はみんなこんな感じの迷路館に住みたいに決まっている事でしょう。
最下級日本国民な自分が本当に悔やまれる。
自分の才能のなさとセンスのなさに呆れる。
私もエリートの様にこんな立派なお屋敷に気になる女子を読んで
一緒にマリオパーティーがやりたかった。
そんな下心を全然隠さず、個性的すぎるお家にいざ。
【迷路館の殺人】全力あらすじ
奇妙奇天烈な地下の館、迷路館。招かれた4人の作家たちは莫大な“賞金”をかけて、この館を舞台にした推理小説の競作を始めるが、それは恐るべき連続殺人劇の開幕でもあった! 周到な企みと徹底的な遊び心でミステリファンを驚喜させたシリーズ第3作、待望の新装改訂版。初期「新本格」を象徴する傑作!(講談社文庫)
引用元:『迷路館の殺人』綾辻行人 Amazon紹介ページ
著書・書籍情報
綾辻 行人(あやつじ ゆきと、1960年〈昭和35年〉12月23日 -)
日本の推理小説家。京都府京都市出身。妻は同じく小説家の小野不由美。
本格ミステリ作家クラブ執行会議。日本推理作家協会会員、元本格ミステリ作家クラブ事務局長も兼ねる。
引用元:wikipedia 綾辻行人
中村青司先生の作った最強の家(殺人事件起こる)シリーズ
代一作目 十角館
本土から離れ、孤島に佇む角ばった館の話
第二作目 水車館
『みんなの美少女』と『カックイイ水車』の話
なぜこの本を読んだのか?
40歳も過ぎ、社会の厳しさも世の中の汚い部分も身体に染み付いた今
私のヘドロの様なギトギトした心を癒すには童心に返る事だと、ふと感じました。
子供の頃、何に夢中になりワクワクしたのか考えたところ『迷路』と言う単語に行きつきました。
自分の好きな事をしたくてその仕事に就職したのに、
人に愛されたくて、人のお役に立ちたくて頑張ったのに、
気が付けば『出口のない迷宮』に迷い込んでおりました。
私はそんなラビリンスに入りたかった訳じゃない。
ワクワクしながら冒険がしたかったから、
夏休みに両親と遊園地の巨大迷路に挑戦したんです。
昔の純粋な冒険心を思い出したくて
この本を手に取りました。
ネタバレなしの感想
天才とか凡人とか関係なく
やっぱりどう考えても
家が迷路とかは不便だと思う。
家政婦さんとか掃除が無駄に大変だし
私はやっぱり6畳の部屋が1番つかいやすい。
全部に手が届くし。

【迷路館の殺人】完走した感想(ネタバレ注意)
私は本当に読書の数も足りないし、全然読解力もないので、
毎回この手のミステリには驚かされているのです。
だから毎回気を付けて推理しちゃったりして読んでいるのですが、
こんな私が気になる箇所なんてモノは、当然読者のみなさんは気づいているし、意味がないので
最近は『もう考えるのをやめよう』のスタイルで読んでいます。
その方が最終局面での衝撃がヤバいです。
ってな訳で今回もまんまと、まんまと脳天がひっくり返る結末でした。
この小説を書いたのが27歳の時ですって。。。。。。
意味が分からないよ私は。
私の心を鷲掴みポイント
・宮垣大先生が生きているとか…なんだか考えたら分かりそうなのに、
毎回騙されてしまうんだよなぁ。エイプリルフールにハシャいじゃうのでマジで殺されますが、
そこは 日頃の行いだし 身から出た錆 だと思うんです。南無。
・英雄色を好む
モテない私からしたら、当たり前の天罰なんです。やる事だけやっといて認知しないとかそんなんは、
バチとかあたってもしょうがないです。南無
この本から学んだこと
・隠し通路があって、のぞき穴がある家にはお呼ばれしても近づいてはいけない。
この本の度し難い点
・謎解きのミステリで『隠し通路』ってのは当たり前の事なんでしょうか?
そんなのが可能なら推理もクソもなくなっちゃうんじゃないかなぁ。
コレも読書量の低いおじさんの戯言なんだろうなぁ。
・犯人が『女性』と言う事が分かった時に、宇多山さんの奥さんである圭子さんだと思って、
『お前かーいっ!妊婦さんなのに脳筋ムーブかーいっ!』なんてショックを受けてたら、
実は鮫島で、しかも男性じゃなくて女性だったなんて言い出すんですもん。
毛根が死滅する勢いでした。ショックがデカすぎる。ゾクゾクしちゃいますね。
本当に度し難い。
この本の犯人へ
宮垣葉太郎と鮫島智夫は、かつて愛人関係にあった。小説中の記述にも、わずかながらそれがほのめかされている。『二人でこの館にこもり、ミステリ談義に明け暮れて一夏を過ごしたと言う逸話もある』
引用元:『迷路館の殺人』綾辻行人 電子版265ページ
なんだそれは!
そんなミステリ談義があってたまるかいっ!
『いやぁ。私のどうしようもない殺人鬼を、君の名探偵でガッチリ追い詰めてくれないか?見事な推理を期待しているよ。』
ってか!なんだそら!まだ子供が食べてるでしょうがっ!
それで遺産をごっそり頂くだとっ!そんな事があってたまるかっ!
羨ましくない!全然羨ましくない!!
寂しいポイント
・エイプリルフールの為だけに呼ばれて、医者じゃないのに医者役をやらされて、
『車のグレードが低いから、アイツは医者じゃない。』
とか言われるオジサンに涙が止まらない。
本人は相当頑張ったと思うし、私的には名演技でした。本当にお疲れ様でした。
・妊婦であり1番最初に発狂して狂いそうなのに、
精神状態ギリギリのところで死体のチェックとか怪我人の世話をする圭子ちゃんが、
この本では優勝。
強くてカッコいい母ちゃんになる事、間違いなし。
この本をおすすめする人
・人生と言う難易度の高い【大迷宮】にハマって正気を失いかけている人
・子供の頃に巨大迷路的なアスレチックで遊んだ事のない方
・『僕の考えた最強の家』シリーズを作るための参考資料として
どんな時に読みたい本か
80年代に大流行した『チクタクバンバン』が久しぶりにやりたくなったが、
家にないので、『迷路的』『誘導的』な欲求を満たしたい時に最適な本。
夏のひと時をミステリ談義に花を咲かせるとか言って
センシティブな事を考えるズルい大人は読まない方が良いです。
まとめ
深く考えずに素直に読んでいるので、毎回結末が本当に面白い。
今回に至っては二重、三重と騙されてスカッとしたし気持ちよかった。
1番驚いたのが綾辻先生が27歳の時の作品だと言う事。
毎回小説を読んで感じる事だが、
なんでこうも凄い話を書けるし、思いつくのか?
本当に不思議でならない。
次回もカッコいい館を紹介してもらって、
まんまと展開に引っ掛かりたい気持ちでいっぱいです。
面白かった(小並感)
コメント