【孤島パズル】有栖川有栖|『一つ一つピースをはめていくしかない』感想、ネタバレ

小説

今回は 有栖川有栖【孤島パズル】の感想になります。

前作【月光ゲーム】では山登りをし、

『大学生』と言うリア充最強のシチュエーションを武器に、
多くの若い男女でイチャイチャを繰り広げ、ドタバタした前作。


高卒のミステリ読者はさぞ、

ハンカチの端を噛みながらリア充の物語を読まされ、悔しい思いをしたであろう。



安心して下さい。私は貴方の味方です

同士です。

クルーです。貴方と同じ四天王の一人です。

そんな悔しさに心が折れた前作から、少しの時間が流れて、

今作はなんと【宝石の眠る孤島に美女と宝探しに行く】んだそうです。



何という事でしょう。
大学生とは何を考えているのか?

前回、あんな稀有な体験をしたくせに、
今回はわざわざ孤島に行くなんてっ!

絶対に嵐くるじゃん。
電話線はもう切れてるじゃん。

推理パートでは、何であんなに冷静でカッコよくて、
頭も切れるのに、どうしてわざわざ孤島に行くのかっ!



大学生はそーゆー生き物なのか。
高卒の私には分からない。


…そんなこんなで

『夏』『孤島』『別荘』『宝探し』『美女』『海』

このカードを前に【高卒】がどう戦えば良いと言うのでしょうか?

色々と取り乱しましたが、
今回も英都大学の探偵と、探偵助手の活躍をハンカチの端を嚙みちぎる感じで見ていきましょう。

【孤島パズル】『犯人は、この島に隠された秘密を知っている』あらすじ

英都大学推理研初の女性会員マリアと共に南海の孤島へ赴いた江神部長とアリス。
島に点在するモアイ像のパズルを解けば時価数億円のダイヤが手に入るとあって、早速宝捜しを始める三人。折悪しく嵐となった夜、滞在客のふたりが凶弾に斃れる。
救援を呼ぼうにも無線機が破壊され、絶海の孤島に取り残されたアリスたちを更なる悲劇が襲う!

引用元:Amazon紹介ページ 孤島パズル

有栖川有栖先生の【学生アリスシリーズ】の第二作目になります。

前回の火山とは異なり孤島での宝探し。

王道の様な設定ではありますが、
どうやら過去に色々な因縁を抱えた面々が3年ぶりに集結する模様。

英都大学の推理研にも マドンナ が加入して華やかさがアップ。

頼りになる推理研部長、江神
モテそうでモテない、有栖
新人の女探偵、マリア

3人の視点から見る事件は、それぞれ独特な結末に向かっていきます。
爽やかな夏がどのような結末になるか楽しみな作品です。

学生モノで仲間が協力して謎を解く系の話が好きな人には
オススメです。

◆有栖川有栖 学生アリスシリーズ 前作【月光ゲーム Yの悲劇’88】はこちら

◆前作【月光ゲーム Yの悲劇’88】の感想はこちら

著書・書籍情報

有栖川 有栖(ありすがわ ありす、1959年4月26日- )

日本の小説家・推理作家。有栖川有栖・創作塾の塾長。大阪府大阪市東住吉区生まれ。上宮高等学校、同志社大学法学部法律学科卒業。本名は上原 正英(うえはら まさひで)

引用元:wikipedia 有栖川 有栖

【孤島パズル】完走した感想(ネタバレ注意)

いきなり私の『推し』が戦力外となる。

英都大学推理小説研究会の重要人物と言えば、

・部長、探偵役 江神二郎
・助手、語りて 有栖川有栖

ですが、

私は天邪鬼ですので、
昔から主役とか準主役を好きになれない病気なんです。

それは私自身が現実でモブであり、村人Aであり、雑魚であるので、
感情移入がしにくいと言う点も御座います。


その状況で英都推理研の他メンバーである

◆望月周平
◆織田光次郎

の存在は前作でもとても大きかった。

私の心の拠り所であった。

しかし今回『夏の南の島でレッツ宝探しツアー』では、
2人とも戦力外通告を受け、首にされると言う

何とも理不尽な展開っ!!!

物語の中では【免許の合宿】だとか【親戚の結婚式】の様に書かれているが、
これは間違いなく陰謀であり、何者かに謀られていたに違いない。

次作では彼らの活躍が見たい。
私の推しにもう一度活躍のチャンスを頂きたい。

人物相関図が私にはむずい。

私が小説を読んでいて毎回思う事が、

『登場人物の把握が最初は難しい。』

と言う事。

読み進めていけば、中盤にはぼんやり掴めてくるのだが、
今回の人物関係は、おじさんがいて、養女がいて、異母兄弟がいて、従姉妹の婿養子が…

と全体を把握するのに時間がかかった。

私の頭の悪さが原因だが、前作に引き続き、ややこしかった。

読者への挑戦は人を選んで頂きたい。

私はまだまだ国内ミステリしか読んだ事がなく、
海外ミステリを知らないのですが、

どうやら エラリー・クイーンさん と言う作家さんが

よく『読者への挑戦状』を叩きつける事で有名なそうな。



日本で言えば有栖川有栖先生が、
読者への挑戦状を叩きつけがちとの事。

そんな事をされても犯人なんて分かった事が無いです…(照)

叩きつけ損なのだから、毎回恐縮してしまうのである。

エラリー・クイーン先生
有栖川有栖先生

いつも本当にすいません。
『この人かなぁ』とは毎回思うのですが、

何でかまでは全く分かりませんっ!いつもすいませんっ!

犯人が何で私は毎回、毎回、分からないのか?

考えてみれば、
考えてみれば、

礼子さんがそりゃ犯人ですよね。
うん。

結果論でしかないが、
よく考えれば、そりゃ礼子さんな訳です。

でも毎回全員怪しく見えるし、
毎回最後まで結局分からないんだよなぁ

叙述トリックでも、パズルものでも、
全く分からないんだよなぁ

分かろうとしてないのが真実ではあるが、

小説を読み終えた後、他の人の感想を読みに行くのだが、
推理をキチンとして、犯人当てが外れて悔しがっている人もいる。

本当に感心する。
凄いなぁ。

画家さん。中々の悪人じゃねーか!

この画家はっ!!!

涼しい顔して、とんだ野郎だったっ!!!

優雅に暮らして、無害なオーラを出しおってからにっ!!!

モテそうでモテない有栖君に涙が止まらない。

前作で有栖君は失恋したんです。

良い感じだったのに…

今回は推理研に紅一点が参加した訳です。

なのに今回もいたたまれない感じになってしまって…

モテそうで報われない有栖君に涙が止まらないです…

彼に青春を。

彼に春を。

彼に必要なのは殺人事件では無く、 彼女 と 春 です。

私は彼が平穏な学生生活を謳歌する事を願っております。

【孤島パズル】が好きな人にオススメする作品

◆【十角館の殺人】綾辻行人

十角形の奇妙な館が建つ孤島・角島を大学ミステリ研の7人が訪れた。館を建てた建築家・中村青司は、半年前に炎上した青屋敷で焼死したという。やがて学生たちを襲う連続殺人。
ミステリーの教科書的傑作。やっぱり館は危険がいっぱいっ!!!!

◆【すべてがFになる】

孤島のハイテク研究所で、少女時代から完全に隔離された生活を送る天才工学博士・真賀田四季(まがたしき)。彼女の部屋からウエディング・ドレスをまとい両手両足を切断された死体が現れた。偶然、島を訪れていたN大助教授・犀川創平(さいかわそうへい)と女子学生・西之園萌絵(にしのそのもえ)が、この不可思議な密室殺人に挑む。
こちらも傑作のシリーズ物。

まとめ

とても分かりやすいシチュエーションで展開された物語。

お約束と言えばそれまでですが、

今回は推理研にマリアが加わり、
江神部長と有栖の事が彼女の加入のお陰で深堀出来たのではないかと感じております。

せっかくマリアが加入したのだから、
このままレギュラーとして作品に居てくれたら嬉しいのになー

次回は有栖に春が来る事を願って次回作を読もうと思います。

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モテない美学

若い時は『オタク』として未熟でも
毎日を必死に楽しく、熱く情熱を持って生きる。

しかし社会人になり
【オタク趣味なんて時間の無駄】と全部切り捨てる。

40半ばになってようやく
【足るを知る者は富む】
【自分は結局オタクでしかない】
と言う事に気づく。

現在は出来なかったオタク活動を
むさぼる様に満喫する毎日。

アニメ、漫画、ゲーム、小説の感想を書いています。

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